いけぽぐ9th:7位指名【マーゼリンの18】(エイシンイシュタル)

7位:マーゼリンの18 (馬名:エイシンイシュタル

 スクリーンヒーロー 母マーゼリン 母父Barathea

厩舎:矢作芳人栗東) 馬主:平井克彦氏 生産:栄進堂

血統情報:5代血統表|エイシンイシュタル|JBISサーチ(JBIS-Search)

 

母マーゼリンは18戦4勝、主な成績はサンタマリアH(米G1・AW7.5f)2着、サンゴルゴニオH(米G2・芝9f)2着。母父BaratheaはSadler's Wells初期の活躍馬で、BCマイル(米G1・芝8f)をレコード勝ちした快速馬。重賞勝ち馬を4頭を輩出した名牝Brocade(フォレ賞-仏G1)の影響からか、Barathea産駒は牝馬に活躍馬が多いのが特徴です。フィリーサイアーは往々にして母父として機能しやすく、本邦輸入種牡馬モンテロッソドバイWC-G1)、Shareta(ヨークシャーオークス-英G1、ヴェルメイユ賞-仏G1)、Arabian Queen(英インターナショナルS-G1)、Tie Black(仏1000ギニー-G1)などビッグレース勝ち馬が多数並びます。Baratheaは母父に入って真価を発揮したと言っても過言ではありません。

 

マーゼリンの仔はJRAデビュー6頭中2頭が勝ち上がりを記録。内訳はエイシンムジカ(牝・父キングカメハメハ/2勝)、コスモインザハート(牡・父ハーツクライ/2勝)と、お世辞にも仔出しが良いとは言えませんが、初めてスクリーンヒーローが配され誕生した本馬エイシンイシュタルには独特の関係が生じており、実指名へ食指が動く配合に仕上がっています。

 

エイシンイシュタルの専売特許たるもの、それはAmeriflora≒Danehill3×3のニアリークロスです。同関係を備えるスクリーンヒーロー産駒はジェネラーレウーノ(セントライト記念-G2、京成杯-G3)が代表格。同馬は皐月賞で3着に激走するなど、クラシック戦線を大いに賑わせました。また、現2歳世代からも好内容で新馬勝ちを決めたブルーシンフォニーが出現、Ameriflora≒Danehillはここに来て急速に存在感を増しています。両者の位置が入れ替わったパターン(Danehill≒Ameriflora3×3)にも成功例があり、ハービンジャー産駒のヤマカツグレース(母父グラスワンダー/フローラS-G2・2着)、フェノーメノ産駒のキタノオクトパス(母父グラスワンダー/2勝)などが出ています。

 

17年朝日杯FS(G1)の勝ち馬ダノンプレミアム(父ディープインパクト)は、Danehillを経由したDanzigクロス、サンデーサイレンス、Roberto、Habitatが入るので、エイシンイシュタルと血統構成が良く似ています。(両者はボトムランPicture Playが共通する同牝系出身でもあります。)

 

●ダノンプレミアムとエイシンイシュタル

結果表示|架空血統表|トピックス|JBISサーチ(JBIS-Search)

※Intikhabの2母の父Danzig/ダノンプレミアムの3代母の父Double Formの父Habitat

 

昨年のディアヌ賞(仏G1・芝2100m)勝ち馬Channelは、Nathaniel(父Galileo→その父Sadler's Wells×母父Silver Hawk)×Dansili(父Danehill)×Barathea×Shirley Heights(父Mill Reef)という累代ですから、エイシンイシュタルと血統構成が酷似しています。また、2代母の父にサンデーサイレンスが入る豪州の猛者Ace High(ヴィクトリアダービー-豪G1)は、High Chaparral(父Galileo→その父Sadler's Wells×母父Darshaan→その父Mill Reef)×Redoute's Choice (父Danehill)×サンデーサイレンス×Local Talent(父Northern Dancer)×Robertoと、こちらもまたエイシンイシュタルと非常に良く似た構図となっています。

 

母方に入って大仕事をするBaratheaの存在感に加え、Ameriflora≒Danehillという良好な関係を構築したエイシンイシュタル、兄姉には無い「新味」は非常に魅力的で、マーゼリンの一番馬となる可能性を秘めています。ダノンプレミアムをはじめ海外の大レース勝ち馬と共通点が多いところもアピールポイント。7月4日(土)、阪神・芝1400mの新馬戦でデビューを予定しています。(使い出しは短距離という陣営のジャッジからスピードタイプに出たと推測されます。楽しみが大きくなってきました。)

いけぽぐ9th:1位指名【ライフフォーセールの18】(パタゴニア)

1位:ライフフォーセールの18 (馬名:パタゴニア

 キズナ 母ライフフォーセール 母父Not For Sale

厩舎:池添学栗東) 馬主:シルクレーシング 生産:ノーザンファーム

血統情報:5代血統表|パタゴニア|JBISサーチ(JBIS-Search)

 

母ライフフォーセールは亜10戦8勝、ブエノスアイレス州大賞(亜G1・ダ2200m)、ラプラタオークス(亜G1・ダ1600m)をはじめ重賞6勝をマークしたアルゼンチンの名牝です。引退後ノーザンファームにより日本へ導入されると、日本の雄ディープインパクトとの間に誕生したダノンファンタジー阪神JF(G1・芝1600m)を制覇、繁殖牝馬としても卓越した才能を遺憾なく発揮しています。

 

母父Not For SaleはParade Marshal~Caro~FortinoGrey Sovereignと遡る父系で、ブエノスアイレス市大賞(亜G1・芝1000m)を制したスピードタイプの競走馬。しかし、種牡馬としてはマイル~中距離のビッグレース勝ち馬を多数輩出、競走馬時代のイメージを覆して大成功を収めました。2013年には亜リーディング種牡馬に輝いています。史上初ドバイ三冠を達成したAsiatic Boy、UAE2000ギニー(G3・AW1600m)の勝ち馬Gold for Sale、ゲイムリーS(米G1・芝9f)の勝ち馬ミスセレンディピティ(本邦輸入)等、アルゼンチンを飛び出し世界で活躍する産駒も目立ちます。

 

前出Asiatic Boyは父系存続の使命を果たすべく母国で種牡馬入り、既に複数のG1勝ち馬を輩出しています。母父Not For Saleからも本馬の半姉ダノンファンタジーに加え、本邦輸入繁殖バラダセールの仔サトノフラッグ(弥生賞・G2)、ブリーダーズカップディスタフ(米G1・ダ9f)、スピンスターS(米G1・ダ9f)などを制したBlue Prize(父Pure Prize)、エストレージャス大賞スプリント(亜G1・芝1000m)2回の快速馬Elogiado(父Archipenko)など大物が続々と出現。代を経ても存在感が薄れないNot For Sale、その代表牝駒ライフフォーセールには「夢」を託すだけの価値があります。

 

Caroを経由してGrey Sovereignが入るキズナ産駒は初年度から好調で、ビアンフェ(函館2歳S-G3、葵S-重賞)、キメラヴェリテ(兵庫ジュニアGP-JPN2)、ヴィンクーロ(1勝)、ハギノアレグリアス(1勝)、レガーメペスカ(1勝)の計5頭が勝ち上っています。セカンドクロップからも大物相手の新馬戦であわやの2着と好走したジュラメントが出現、キズナとCaroの親和性の高さは折り紙付きです。

 

ライフフォーセールの注目ポイントは、その母Doubt Fireが「父Ski Champ(母Ski Goggle)×母父Ghadeer(父Lyphard)」の組み合わせであるところでしょう。これは「父Lyphard×母Ski Goggle」で誕生したスキーパラダイスムーラン・ド・ロンシャン賞-仏G1)をなぞるものです。また、Doubt Fire→Not For Sale(Grey Sovereign系)→ライフフォーセールという一連の流れは、スキーパラダイスが送り出した重賞勝ち馬エアトゥーレ(父トニービンGrey Sovereign系/阪神牝馬S-G2)の工程を彷彿させます。

 

●ライフフォーセール

Not For Sale(父Grey Sovereign系)

×Ski Champ(母Ski Goggle)×Ghadeer(父Lyphard

 

エアトゥーレ

トニービン(父Grey Sovereign系)

×スキーパラダイス(父Lyphard×母Ski Goggle)

 

異能の繁殖能力を示したエアトゥーレJRA出走10頭中10頭勝ち上がり)の構成要素をまとうライフフォーセールに、満を持してディープインパクトが配され誕生した2歳女王ダノンファンタジー。先んじて名を上げた半姉以上の成果を望むのは酷ではありますが、父がキズナ替わったことで生じる新要素には注目せねばなりません。

 

母父Not For Saleの代表産駒として紹介した前出サトノフラッグとElogiadoはいずれも「母:Not For Sale×Confidential Talk(父Damascus)」の組み合わせ、さらに前出Blue PrizeはPure Prize~Storm Catの流れを汲む父系であります。キズナの母キャットクイルは「父Storm Cat×母父Damascus」ですから、ライフフォーセールにキズナを配すると、母父Not For Saleから誕生した大物が携える血脈を端的にセッティングすることになるのです。

 

ダノンファンタジーの末脚には南米的なスピードの持続力が垣間見れますし、父がディープからキズナに替わったとなれば、本馬パタゴニアが目指すべきは積極的な前受け戦法でしょう。偉大な半姉とは違った素養を示すと考えられますが、こちらもなかなか面白い仕掛けが豊富な将来性溢れるキズナ牝馬です。

 

新馬に速い時計を課さない厩舎とはいえ、終始低負荷の調整過程には不安が募りますが、調教&パドック凡庸でも実戦で走るのがキズナ産駒の特徴、今期1位で獲得した牝馬だけに高い期待を持って当日を迎えたいと思います。6月28日(日)の新馬戦(阪神・芝1800m)にD.レーン騎手で予定。

いけぽぐ9th:5位指名【ケンホープの18】(スーパーホープ)

5位:ケンホープの18(馬名:スーパーホープ

 父キズナ 母ケンホープ 母父Kendargent

厩舎:藤岡健一栗東) 馬主:青山洋一氏 生産:社台ファーム 

血統情報:5代血統表|スーパーホープ|JBISサーチ(JBIS-Search)

 

母ケンホープは21戦5勝、グロット賞(仏G3・芝1800m)勝ちが最大の勲章ですが、コロネーションS(英G1・芝8f)2着、メイトロンS(英G1・芝8f)2着2回、ロートシルト賞(仏G1・芝1600m)3着、など生涯を通じて計7回の重賞入着歴があります。この尋常ならざる安定感、タフネスさは称賛されて然るべき美点。わたくしは頑張り屋さんが大好きです。引退後社台ファームに導入されるやいなや、初仔のプールヴィル(父Le Havre)がフィリーズレビュー(G2・芝1400m)を制覇(1着同着)、繁殖牝馬として順風満帆なスタートを切りました。2番仔(父ヴィクトワールピサ)は未出走、本馬スーパーホープはケンホープの3番仔にあたります。

 

母父Kendargentは13戦2勝、G3・2着1回がキャリアハイというお世辞にも順風満帆とは言えない競走生活でしたが、故郷仏国で種牡馬入りを果たした珍しい経歴の持ち主。上級繁殖を集めるのは極めて難しい状況であるにも関わらず、いざ産駒デビューするとなかなかどうしてよく走り、仏国を中心重賞レース勝ち馬を複数輩出しています。本邦輸入種牡馬トニービンと同じくKalamounからGrey Sovereignに遡る父系で、Kalamoun3×4+CaroとしたGrey Sovereignクロスが特徴的。これを彷彿させる形態「トニービン(父父Kalamoun)+Caro」は既に日本で成功例が多数あり、ジャングルポケット産駒のトールポピーオークスーG1)、アヴェンチュラ秋華賞ーG1)姉妹、シェーンヴァルトデイリー杯2歳S-G2)、ハーツクライ産駒のスワーヴリチャード(ジャパンC-G1)、ギュスターヴクライ阪神大賞典ーG2)、スワーヴアラミス(マーチS-G3)、ルーラーシップ産駒のディアンドル(マーガットS-L)などが出ています。優れた日本適正を誇るKendargentのアシストなくしてプールヴィルの戴冠はなかった筈、同馬を一介のマイナー種牡馬と侮るなかれ。

 

キズナの近親として名高い三冠馬ナリタブライアンビワハヤヒデの両巨塔。注目すべきは後者の父シャルードSharrood)の存在。何を隠そう同馬の父は前述Caroであります。日本で成功したトニービンの良パターンを踏襲しつつ、偉大なる近親者ビワハヤヒデの父系(Grey Sovereign系)を組み込んだキズナとKendargentのマッチングには、自然と胸が熱くなる思いがします。日本で生を受けたあと米国に送られ、ピーターパンS(米G2・ダ9f)を制したキズナの半兄Sunday Break(父フォーティナイナー)。同馬の代表産駒Never on Sunday(イスパーン賞-仏G1)は母父にKendor(Kendargentの父)が入る、という事も付け加えておきます。

 

Caroを経由してGrey Sovereignが入るキズナ産駒は初年度からブレイクの兆しを見せていて、ビアンフェ(函館2歳S-G3、葵S-重賞)、キメラヴェリテ(兵庫ジュニアGP-JPN2)、ヴィンクーロ(1勝)、ハギノアレグリアス(1勝)、レガーメペスカ(1勝)の計5頭が勝ち上がりをマーク。先ごろの新馬戦で2着に好走したジュラメントも母方にCaroを持っています。キズナとCaroは切っても切り離せない関係になりつつあります。

 

ケンホープの血統内でひときわ目を引くVaguely Nobleのクロス。ここにキズナが寄り添うと、Fiji≒Vaguely Nobleの関係が構築されます。Gay Meceneを経由した事で、My BabuクロスとSir Gaylordクロス(Sir GaylordSecretariat継続)が同時に生じる点などまさに配合の妙。過去JRAで走った「父キズナ×母方Gay Mecene」のパターン馬はケヴィン(若駒S)1頭のみ。フレッシュサイアーだけにサンプル数は乏しいものの、リステッド競走勝ち馬を輩出したのは紛れもない事実。ちなみに、同パターンに該当する18年度産のキズナ牡馬はスーパーホープ1頭だけです。また、Gay Meceneを経由しないVaguely Noble持ちのキズナ産駒からもマルターズディオサ(チューリップ賞-G2)が出現、牡牝それぞれに良駒が存在することは大きな意義があると思います。

 

Kendargentの血統構成をよくよく見ると、Caroが奥まった位置に後退しており、同馬の影響力を前面に出すという意味では少々物足りない印象も、トニービン保持種牡馬の成功形態を踏襲した上でキズナに受け渡したところは感涙もの。Kendargentの母父LinamixにはAlcideを通じてAlycidonが入るところも大変気に入っています。(Acropolis=Alycidonの全兄弟クロス)ややスピードが勝っているという陣営のコメントには一抹の不安がありつつも、高い期待を持って当日のレースを見守りたいと思います。6月21日(日)、東京の新馬戦(芝1600m)をM.デムーロ騎手で予定。(最終追い切りの動きを確認。脚さばき良く豪快に伸びていました。好勝負してくれそうです。)

いけぽぐ9th:4位指名【Jasmine Blueの18】(ブルースピリット)

4位:Jasmine Blueの18(馬名:ブルースピリット) 

 父Invincible Spirit 母Jasmine Blue 母父Galileo

厩舎:中内田充正栗東) 馬主:ゴドルフィン 生産:Deerpark Stud & Irish National Stud

血統情報:5代血統表|ブルースピリット(IRE)|JBISサーチ(JBIS-Search)

 

今年の琴線に触れたゴドルフィンシリーズ。スーパー・ウルトラ・ハイパー・ミラクル名繁殖Urban Seaが送り出したG1勝ち馬は、Galileo(父Sadler's Wells)、Sea The Stars(父Cape Cross→その父Green Desert)、Black Sam Bellamy(父Sadler's Wells)、My Typhoon(父Giant's Causeway)の計4頭。本馬ブルースピリットの血統内部には何かに導かれるが如く、これら父馬群が集結していて、Sir Ivor≒Hopespringseternal≒Terlinguaの構築が実に小気味良い。同関係に彩りを添えるRahyRed GodHalo2×2)の存在感も光ります。ファーストインプレッション時に「これは…」と唸った後、デスクの横でしばらく小躍りしていました。(盛っています)

 

GalileoGreen Desertは相性バツグンでして、Was(英オークス)は「父Galileo×母父Green Desert」、Australia(英ダービー愛ダービー、英インターナショナルS)は「父Galileo×母父Cape Cross(その父Green Desert)」、Cracksman(英チャンピオンS2回、コロネーションC-英G1、ガネー賞-仏G1)は「父Frankel(その父Galileo)×2代母の父Green Desert」です。またGalileoの後継New Approach産駒のMasar(英ダービー)、Teofilo産駒のHavana Gold(シャンプラ賞-仏G1)、Humidor(豪G1・2勝)、Intello産駒のIntellogent(シャンプラ賞-仏G1)等も母方にGreen Desertを保持しています。

 

また、Galileo Gold英2000ギニーセントジェームズパレスSー英G1)は「父Paco Boy(父父Green Desert)×母父Galileo」、Magna Grecia(19年英2000ギニー)は「父Invincible Spirit(その父Green Desert)×母父Galileo」と、組み合わせが逆になっても大物が出ている点は頼もしく、特に後者はブルースピリットと同じ父×母父の配合馬です。(直近の英クラシック勝ち馬と血統的類似点がある、これは凄く重要。)

 

Krisの血量18.75%というと、Wrote(ブリーダーズカップジュヴェナイルターフ-米G1)、Tiggy Wiggy(チェヴァリーパークS-英G1)辺りが著名で、G1勝ち馬輩出・秘伝の技とは言い難いものの、ゴドルフィン所有の本邦代表格ファインニードル(春秋スプリントG1連覇)は、Krisを通じたSharpen Up5×4を持っています。Kris3×4(Sharpen Up4×5)が際立つブルースピリットにとって、ファインニードルと同じ環境で育成される点は心強い限り。豊潤なスピードを武器に短距離路線で活躍する姿が目に浮かびます。

(※ファインニードルの育成時、ダーレー・キャッスルパークに屋根付き坂路はありませんでしたので、全く同じ環境という言い回しは適切ではないかもしれません。)

 

絶景を拝んだ気分にさせてくれる今年の花丸配合馬です。デビュー戦は6月21日(日)、函館の新馬戦(芝1200m)を予定。結果次第では函館2歳Sに向かう青写真でしょうか。デビュー戦当日が楽しみです。 

キズナ:メモ2

ディープはBurghclereの累代Borealis(母Aurora→Rose Red)によって、Sweet Lavender=Rose Redとし、Turn-toクロスに彩りを加えたスタイルを確立している。ディープらしさとはHalo=Sir Ivorによって生じたTurn-toクロス的表現でもあるのだから、代々Sweet Lavender=Rose Redを巧妙に昇華していく事が「ディープ系」継続のカギとなろう。

 

さてキズナである。My BabuとAcropolisによってSweet Lavender=Rose Redをしっかりと累進継続している。My Babu,Acropolisともに各国の大レース勝ち馬の血統内にたびたび登場する名馬だ。良好な継続処置である。

 

キズナ産駒の代では当然Acropolis=Alycidonを施したいのが心情。Turn-to,Borealis,My Babu,Acropolisの合併により生じたSweet Lavender=Rose Redを、全姉妹クロスでもって一括処理できるからだ。以前にも書いたがキズナキャットクイル20歳時の産駒であって、古めかしい血脈が所狭しと並ぶ、Acropolisの場所も4代目と比較的近い。大いに効果が見込める位置だ。

 

既にディープブリランテミッキーアイルマカヒキAlycidonを取り込んでG1を勝っているし、キズナの母父Storm Catの後継ヘネシーも同馬を内包している。以上の観点からAlycidonが入る配合は確実性が高く、大物輩出が期待出来るだろう。

 

Alycidon自身は名ステイヤーとして鳴らした馬であるから、Acropolis=Alycidonによる効果が出やすいのは牝馬よりも断然「牡馬」だと推測される。前出ディープ+Alycidonの活躍馬は皆牡馬であった。

 

Alycidonの血を含むかどうか、とりわけキズナ牡馬を選定する上で重要な指標となる可能性が高い。初年度産駒の動向を見つつ、再度キズナのまとめ記事を書く予定である。(あくまで予定である←念押し)