いけぽぐ9th:3位指名【アヴニールセルタンの18】(オヌール)

3位:アヴニールセルタンの18 (馬名:オヌール

 ディープインパクト 母アヴニールセルタン 母父Le Havre

厩舎:友道康夫栗東) 馬主:社台ホースレース 生産:社台ファーム 

血統情報:5代血統表|オヌール|JBISサーチ(JBIS-Search)

 

母アヴニールセルタンは11戦6勝、仏1000ギニー(G1・芝1600m)、ディアヌ賞(G1・芝2100m)を制した歴史的名牝。両G1は共に馬群の外から他馬をごぼう抜きした衝撃的な内容で、仏二冠牝馬の称号にふさわしい特別な才能を持った競走馬でした。引退レース後、吉田照哉氏に所有権が譲渡され日本への輸出が決まると、初仔デゼル(父ディープインパクト)が瞬く間にスイートピーS(OP)を制覇、繁殖牝馬としても高いポテンシャルがあることを知らしめました。本馬オヌールはその1つ下の全妹にあたり、アヴニールセルタン最後の産駒となります。

 

母父Le HavreはC.ルメール騎手を背に仏ダービー(G1・芝2400m)を制するも、その後怪我が判明し引退、志半ばでターフを去ることを余儀なくされました。しかし種牡馬としては本馬の母アヴニールセルタン(仏二冠牝馬)、ラクレソニエール(仏二冠牝馬/本邦輸入)、Villa Marina(オペラ賞-仏G1)、Suedois(シャドウェルターフマイル-米G1)、などを出して成功、日本においてもプールヴィル(フィリーズR-G2/1着同着)、シャドウノエル(4勝)がターフを賑わせ、Le Havreの知名度を上げています。活躍馬のラインナップを見ても分かる通り、A級馬は牝馬に多いのが特徴です。

 

フィリーサイアーはえてして母父として仕事をするもので、本馬の全姉デゼル(スイートピーS-OP)以外にも同3歳世代からロジアイリッシュ(2勝)、その半妹にあたる2歳馬アップリバー(新馬3着→未勝利2着)が立て続けに出現、日本競馬界においてLe Havreの存在は無視できなものになりつつあります。

 

母方にMachiavellianを持つディープインパクト産駒は、これまで21頭中20頭が勝ち星をマーク。(率95.2%) このうちヴィルシーナヴィクトリアマイル-G1・2回)、ヴィブロスドバイDF-G1、秋華賞-G1)の二頭が重賞勝ち馬となっていますが、本馬オヌールの血統表を見ると、上記姉妹の構成血脈「ディープインパクト,Machiavellian,Nureyev,Morn of Song(Rahyの全妹)」が綺麗にまとめて揃っているのはもちろんのこと、「性別:牝馬」&「厩舎:友道康夫」というプロフィール要素までも完全に一致しています。ディープ産駒の代表的姉妹と共通点が多いところは本馬の大きな長所です。

 

サンデーサイレンスMachiavellianGlorious Song」の集合形態は最近活躍馬が目立ってきたパターンで、前出ヴィルシーナヴィブロス姉妹とその半弟シュヴァルグランジャパンカップ-G1)、アドマイヤマーズ(香港マイル-G1、NHKマイルC-G1、朝日杯FS-G1)、ウーマンズハート(新潟2歳SーG3)、トリプルエース(小倉2歳S-G3・2着)、そして本馬の全姉デゼル(スイートピーS-OP)などが出ています。(直近のPOGにおいては同形態馬に重きを置いて指名を行いました。18年アドマイヤマーズ指名、19年ウーマンズハート指名)

 

Vaguely NobleとHigh Hatを備えた繁殖牝馬に、ディープインパクトを持って来てHypericum≒Aureoleの3/4同血クロスとした馬は、これまで12頭中11頭が勝ち上がっりを記録。トーセンラーマイルCS-G1)、スピルバーグ天皇賞・秋-G1)を筆頭に2勝以上馬が6頭にものぼり、こちらも安定感と共に一発の破壊力を秘めた効果的なパターンとなっています。

 

アヴニールセルタンの累代には、ダノンシャンティNHKマイルC-G1)、ファインニードル(春秋スプリントG1連覇)の母父として著名なMark of Esteem、SS系種牡馬と交わってG1勝ち馬を多数送るMachiavellianが名を連ねます。日本適正の高い血脈がちりばめられたアヴニールセルタンのラストクロップ・オヌールにかかる期待は自ずと高く、全然デゼルが叶わなかったクラシック制覇の夢を託したい、そんな気持ちにさせてくれる存在です。

 

既にゲート試験はパスしており、成長を促すため再度放牧に出されたとの事。5月10日の遅生まれだけに完成度の面で不安はつきまとうものの、母父Le HavreはBlushing Groomの系統ですから気性的に仕上げやすい筈で、順調にいけば王道の秋デビューが可能でしょう。高い期待を抱きながら初陣を待ちたいと思います。