いけぽぐ9th:2位指名【リトルゲルダの18】(グレイイングリーン)

2位:リトルゲルダの18(馬名:グレイイングリーン

 父ディープインパクト 母リトルゲルダ 母父Closing Argument

厩舎:池江泰寿栗東) 馬主:青芝商事 生産:追分ファーム

血統情報:5代血統表|_________|JBISサーチ(JBIS-Search)

 

リトルゲルダは29戦7勝、3歳6月デビューと始動こそ遅れたものの、キャリアを積みながら少しづつ力を付け、5歳夏には北九州記念(G3)、セントウルS(G2)と連勝、見事サマースプリントシリーズチャンピオンに輝きました。同馬の初仔リヴェール(父オルフェーヴル)は、4戦目で待望の初白星を挙げると、昇級初戦の新潟千直でも3着と好走、母譲りのスピード能力が徐々に解放されつつあります。本馬グレイイングリーンはその半弟にあたり、リトルゲルダが産んだ初めての「牡馬」となります。

 

本馬の注目ポイントは、兎にも角にもディープインパクトとBuddhaのエンカウントでしょう。「父ディープインパクト×母方Unbridled's Song+Storm Cat」はJRA出走11頭中10頭が勝ち上がり、そのうち8頭が2勝以上マークしている鉄板配合です。この中にはディープインパクトの最高傑作と名高いコントレイル(日本ダービー‐G1、皐月賞-G1)、G1級の好素材レッドベルジュール(デイリー杯2歳S-G2)が含まれています。「父リアルインパクト(その父ディープインパクト)×母方Unbridled's Song+Storm Cat」の形態からもラウダシオン(NHKマイルC-G1)が出現するなど、同配合をなぞったディープインパクト系の爆発力は尋常ではありません。

 

前出G1勝ち馬コントレイルは母ロードクロサイトが「In Reality5×5・5」、ラウダシオンは自身が「In Reality4×7」と、いずれも血統内にIn Realityクロスを持つという共通点があります。本馬の母リトルゲルダの血統表を見ると、Closing Argumentの父系ラインとUnbridledを交えた「In Reality4×7」がしっかりと刻まれています。また、父Buddha(Unbridled's Song×Storm Cat)×母父Wild Again(父Icecapade)とした2代母Bijoux Missは、前出レッドベルジュールの母レッドファンタジアを彷彿させる血統構成です。

 

母方にGone WestDamascusが入るディープインパクト産駒も近年活躍馬が増えており、ケイアイノーテック(NHKマイルC-G1)、カレンブーケドール(ジャパンカップ-G1・2着、オークスG1・2着、秋華賞-G1・2着)、リアアメリア(アルテミスS-G3)の三頭が大舞台で才能を発揮しています。戦績を見ても分かる通り、総じて完成度が高いのが特徴です。同馬グレイイングリーンはSir Ivor≒Terlingua≒Secrettame5×6・6をはじめ、母方にMr. Prospector5・6×6、Nijinskyなどを持つので、前出カレンブーケドールと構成血脈がよく似ています。

 

リトルゲルダの血統内部には、Storm Catを交えて効果てきめんEight Thirty≒War Relic=Speed Boatマルゼンスキーの2代母Quill牝馬クロスが絡むStaff Writer≒Euryanthe5×5、Damascus→Buddhaと重ねた際に生じるKeralaの牝馬クロスなど、趣向を凝らしたが関係性がところ狭しと並びます。こうした血脈のセッティングが鮮やかなリトルゲルダディープインパクトが配されて誕生したグレイイングリーン、同父晩年の代表産駒として名を刻んでも驚けない血統背景の持ち主です。

 

池江泰寿氏の「クラシックを」という言葉が示す通り陣営の期待は高く、王道・秋デビューを見据えてじっくり調整するとの事。ディープの芦毛伝説始まりなるか、要注目です。