非社台POG:指名馬①【パスオブドリームズの18】(ノースザワールド)
★パスオブドリームズの18(馬名:ノースザワールド)
牡 父ディープインパクト 母パスオブドリームズ 母父Giant's Causeway
厩舎:大久保龍(栗東) 馬主:スリーエイチレーシング 生産:下河辺牧場
血統情報:5代血統表|_________|JBISサーチ(JBIS-Search)
母パスオブドリームズは米国で7戦1勝と成績平凡も、全姉Excitedはヴァージニアオークス(米G3・芝8f)の勝ち馬で、伯母にはBCディスタフ(米G1・ダ8f)、ラブレアS(米G1・ダ7f)をはじめ重賞7勝を挙げたSpainがいるなど、一本筋が通った血統背景の持ち主です。その良質なバックボーンは伊達ではなく、ハーツクライが配されて誕生した2番仔クラヴァシュドール(阪神GF-G1・3着)がクラシック戦線で躍動、繁殖牝馬としての才能をすぐさま開花させました。本馬はパスオブドリームズの3番仔にあたり、初めての牡馬に出た産駒となります。
「父ハーツクライ×母方Storm Cat」は、18年青葉賞勝ち馬ゴーフォザサミットが初の重賞勝ち馬で、その後も突き抜けた大物が出ていない配合です。こういった傾向が根強く残る中、ハーツクライとの間にクラヴァシュドールを出したパスオブドリームズの繁殖能力は尋常ならざるもので、Storm Catと抜群の相性を誇るディープインパクト替わりとなれば更なる高みを目指せるのではないか?という読みが強く働きました。
配合面では、ディープインパクトの母父AlzaoとStorm Catの同調性に対して、パスオブドリームズの4代母Shujinsky(Nijinsky,Tom Rolfe,Nashua,Hill Prince)を充て、同上関係をより強固なものにしているところに惚れ込みました。Tom Rolfe(母Pocahontas)→Giant's Causewayの累代Chieftain(母Pocahontas)としてAlzao(2代母Pocahontas)に紡いだ形態にも実にスタイリッシュ。3方向に枝分かれした血脈の集合は私の大好物です。(変人) ちなみに、ディープインパクトが輩出した日本ダービー馬5頭中3頭(マカヒキ、ワグネリアン、ロジャーバローズ)がPocahontasの牝馬クロスを持っています。
母方にStorm CatとNijinskyとMr. Prospectorを持つディープインパクト産駒には、ラキシス(エリザベス女王杯-G1)、サトノアラジン(安田記念-G1)の姉弟やカレンブーケドール(ジャパンカップ-G1・2着、オークスG1・2着、秋華賞-G1・2着)がおり、母方にStorm CatとDamascusとDonatelloが入るディープ・牡馬といえばキズナ(日本ダービー-G1)が該当します。
「父ディープインパクト×母方Vaguely Noble+High Hat」の配合は、トーセンラー(マイルCS-G1)、スピルバーグ(天皇賞・秋-G1)、デゼル(スイートピーS-OP)など、2勝以上馬が6頭も出ている良好なパターン。これはHypericum≒Aureoleの3/4同血クロスとしてディープインパクト自身の牝系を弄ることになるので、大変気に入っているテクニックです。
その他Rahy(Glorious Song)を交えたHaloクロス含め、全体的にディープインパクトの主力部位を牝馬クロスを交えて弄っているところは素晴らしいの一言。Giant's Causewayは母方に入るとダート的馬力を伝えやすく、パスオブドリームズ自身がStorm Bird3×4をはじめ、Native Dancerのクドさが目に付きます。本馬の適正は芝マイル~中距離型、最終的には1600m近辺が主戦場となるかもしれません。
(VTRが無く残念ですが)松山騎手が誇った栗東CWの時計は大変素晴らしく、血統の良い面が表現されている可能性大。降雨の心配がありますが、前出の通り母方にはパワフルな血脈が目立ちますし、多少渋った程度なら全く問題ないと見ています。7月25日(土)、新潟5Rの新馬戦(芝1600m)を松山弘平騎手で予定。