クラージュゲリエ:メモ1

POGドラ7位指名馬クラージュゲリエが共同通信杯に出走する。父はサンデー直仔繁殖で溢れた時代に彗星の如く登場したキングカメハメハ。変則二冠馬である。自身が3/4Northern Dancer(4/4Native Dancer)の形態であるから、仔の代ではNorthern Dancerを和らげる措置が必要な種牡馬だ。

 

日本的瞬発力を調合して新たなステージに昇華したキングカメハメハ産駒はドゥラメンテ(母父サンデー)とレイデオロ(母父シンボリクリスエス)である。同産駒・牡馬における3歳春のクラシック勝ちはこれら二頭だけだ。いずれも母父の部位にNorthern Dancerの名前が無いという共通点がある。

 

クラージュゲリエの母父タニノギムレット(Roberto系)はNorthern Dancerを含んでいない種牡馬である。さらに母ジュモーは累代でサンデーが配されているから、ドゥラメンテ(母父サンデー)とレイデオロ(母父シンボリクリスエス:Roberto系)内部のRoyal Charger血脈をセットで保持する繁殖だ。実はラブリーデイレッツゴードンキも母方「サンデー+リアルシヤダイ(Roberto系)」である。(重要)

 

キングカメハメハの皆無要素(Royal Charger)を二重で押し込んだ成果である。基本的にどの血脈でもクロスしてあてがった方がその要素は伝わりやすい。 血統内に単体でポツンと存在するだけでは過度に主張しない。(歴史的名牝のように存在するだけで影響力を発揮するケースもある。)

 

キングカメハメハはBlakeneyからHornbeamを取り込み、Mill Reef→Special累代ならではの重厚な末脚表現が得意だ。望田先生のおっしゃる所謂「ナスペリ」であり、これをHornbeam≒パロクサイドとして強調したのがドゥラメンテである。フェアリードール内部にはNureyev(Special)と一緒にHornbeamと近しい「Amerigo」が登場する。ドゥラメンテ的なナスペリ弄りを彷彿させる戦略だ。

 

ビスクドールの全姉トゥザヴィクトリー(サンデー×フェアリードール)にキングカメハメハが配されて誕生したトゥザグローリートゥザワールド兄弟は硬質Hyperion的な末脚を武器としたが、クラージュゲリエにおいては幾重にも重ねたHyperionタニノギムレットHyperion:2.34%)を挟み不干渉の方向に舵を切っている。そう毎度お馴染み「緊張と緩和」である。

 

とはいえ、ジュモーにはRobertoとNureyevを通じたNashuaNasrullahがあり、キングカメハメハKingmamboMr. Prospector×Nureyev)によってこれを継続すると、かたくなにパワフルな性質を押し出す傾向がある。フェアリードール一族特有の小回りパワー型、と定義したくもなるが、京都2歳Sのレース振りを見ると、東京コース替わりでも侮れない決め手を持っている。逆にここで良い勝負をするようならば先々まで楽しみが広がるというものだ。ジュモー譲りの気性が心配だが、まともならば好勝負してくれる筈。楽しみだ。